一花一葉

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zoom RSS コンギク(紺菊)

<<   作成日時 : 2006/10/05 21:01   >>

驚いた ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 8

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                   <コンギク>

10月に入ったというのに連日秋霖を思わせ、澄み渡った秋天を仰いだ事がない。気象図には台風16号と17号が洋上でゆっくりと動き、こちらを伺っている。九州と北海道は昨日、今日と晴れマークのようだが、関東地方は今日の待宵(小望月)は見れず、また明日の十五夜の名月も仰げそうにない。雨雫が次々と滴ってくる窓から外を覗くと、芒の穂先がしな垂れて恨めしげである。

「待宵や芒ばかりの山の音」(岡田貞峰)

「降り出でぬ明日は望なる月の空」(水原秋桜子)

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                     <コンギク>

この時期、秋の野山では野菊があちこちで見られ、その楚々たる花に思わず1輪手折って見たくなる。
野菊と言うと現代の若者は知らないかもしれないが、伊藤左千夫の処女作、「野菊の墓」を思い出す。
15歳の政夫と2歳年上の民子との悲恋物語は、青春の一途な儚い恋心として悲しみと涙を誘い、このイメージを引きずった野菊には、可憐で儚げで淋しげな花のイメージを感じてしまう。

野菊とは、野に咲く菊、ヨメナの別称と広辞苑にあるが、この時期、野に咲く菊には、ヨメナ、ノコンギク、シラヤマギク、ノジギク、ヤマシロギク、ユウガギク、シオン、ヒメジオンなどの色々な種類があり、素人には見分けが難しい。

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             <コンギク>

其の中で一番良く知られて馴染が深いのがノコンギクであろうか?
私も野菊の中のこのノコンギクに惹かれている一人だが、花屋のラベルにノコンギクと記してあり、求めて鉢で育てていた。これはどうも野生のノコンギクよりも花色が濃い紫で、枝分かれして花付が非常に良く華やかなイメージを持っていた。先日、これは選抜された園芸種のコンギク(紺菊)と聞いて本で調べてみたら、やはり「コンギク」であった。ノコンギクの他にコンギクと言う園芸種が存在していたと初めて知った。(他に春に人気のミヤコワスレ(都忘れ)の花もアスター属のミヤマヨメナの改良種だそうだ。)

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          <ノコンギク 2006/9/21撮影>

そう言われれば、コンギクは野紺菊の字の野が取れてちょっと華やいだ感じがある。
先日訪れた山中湖の文学の森に咲いていたノコンギクとは違い、やはり随分と色が濃く、いかにも街中で育ったような華やかさがあり、自然で楚々たる風情に些か欠けるようだ。
それでも野のものを採ってくるわけにもいかず、庭で野の風情らしき優しさを感じさせてくれるには充分な花である。

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               <コンギク>

この記事を書くに当たって、ある本を見ていたら、野菊として扱われるものとして、以前、シオン属(シオン、ノコンギク、コンギク、ダルマギク、シラヤマギク、シロヨメナなど)、ヨメナ属(ユウガギク、カントウヨメナなど)、ハマベノギク属、ミヤマヨメナ属などに分かれていたものは、アスター属と一括りにして扱われて、日本産宿根アスターと呼ぶと書いてあるものがあった。
また調べて見ると他の本には未だシオン属とかヨメナ属とかに分けて書いてあり、花姿だけで名前を知るのが難しそうなのに、単純な頭には理解し難い。
一括して野菊科でもよかろうと思うが、何処かしら顔が違うらしい。属の分け方はどちらが正しくて古いのかさっぱりである。

万葉の昔からノコンギクなど野菊があったのだろうか、秋の七草には野菊が入っていないが、万葉ではヨメナのことを「うはぎ」と呼んでいる。「うはぎ」と呼ばれるのは春のヨメナで、秋に咲くヨメナの野菊の花だったのだろうか?

「妻もあらば摘みて食げまし沙)弥の山野)の上(へ)のうはぎ過ぎにけらずや」(万葉巻2−221・柿本朝臣人麻呂)

キク科の花には属が非常に多く、こんなものもと思うものがあり悩んでいるそんな事など知る由もなく、鉢植えのコンギクは日に日に花数が増し、蕾の花も色濃さが出て秋の深まりを感じさせている。これは1輪挿しにして活けたくなる花である。そして街の花屋には品種改良された華やかなポットマムが出回っている。
ノコンギク
ノコンギク、ヨメナ他

宿根アスター(ユウゼンギク2006/10/01)
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<コンギク(紺菊)>
キク科アスター属
学名:Aster ageratoides ssp. avalus
原産地:日本(本州、四国、九州)
草丈:40〜100cm 
花色:青紫 花径:2〜3cm 
開花期:10〜12月
性状:耐寒性多年草、ノコンギクから選抜された園芸品種。
※ヨメナに似ているが、ヨメナは枝分かれが少ないのに対して、コンギクやノコンギクは枝分かれが多い

「野辺に見る野紺菊淡く初恋を語るか昔を知る由もなし」

「遠き日に夢見し乙女の憧れのボードレールの詩篇また読む」

「紫の色鮮やかなる紺菊の花びらに浮く秋雨雫」

「待宵の月は望めず激しくも雨音の立ち秋の夜更ける」

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
今日は珍しく同じノコンギクでしたね。
この時期、野に咲く菊には、ヨメナ、ノコンギク、シラヤマギク、ノジギク、ヤマシロギク、ユウガギク、シオン、ヒメジオンなどの色々な種類があり、素人には見分けが難しい。
と綴っておられますが、同感です。菊は素人泣かせです。(萩と同じかな?)
デコウォーカ
2006/10/05 21:52
花の名前、花の属する科、花の属と難しいですね。植物は分類学と牧野富太郎博士が、日本初めて植物誌を書かれる。菊は秋の代表的な花、たくさんの混合種、単に名前をおぼえるのでなく、特徴点を掴んだ何かがあるんでしょうねえ。今度勉強してみたいですね
hanahhana1952
2006/10/05 21:55
 一花さんちは、秋の風情を楽しむコンギクですね。ノコンギクのなかから目の良いひとが見つけ出したものでしょうが、目聡いひともいるものですよね。
 普通野山で見るものは、もっと色が淡く、優しい風情の薄紫ですね。
 野菊は、栽培菊の大輪のものよりも、ずっと好みで、うちでもいろいろ育てていますが、今はハコネギク(ミヤマコンギク)、屋久島のホソバコンギク?というようなのが咲いています。これからいろいろ咲き出しますので、楽しみですね。
なおさん
2006/10/05 22:42
デコウォーカ さん、こんばんは。コメント有難うございます。
デコウォーカ さん宅はノコンギク他今日は色々植物満載でしたね(何時も満載ですが。)知らない野の植物ばかりですので、勉強になりますヨ。それにしても、お山には沢山の珍しい植物だらけでブログ材料として見せてくれますし、ウォーキングも兼ねてと良い事づくめですね。うちは、野が抜けたコンギクだけです。何時も1種類だけのアップで面白くないですが・・画像だけは表情を変えて載せているつもりです。野菊も沢山あるのですね。名前もヤマシロギク、そしてシラヤマギクなんて、逆さにしてあったり〜。これを全〜部覚えて同定出来たら、もう植物学者並ですね?萩に関しては、もうデコウォーカ学者さんですね。
デコウォーカ さんへ
2006/10/05 23:48
hanahhana1952さん、こんばんは。コメント有難うございます。
植物のブログを書く様になって、科、属を調べていると、不思議だと思うような事がたくさんありますよね。そして属も年と共に変わっていったりで、あまりハマルと頭が痛くなりますから〜。綺麗な花を愛でて、歌が詠えて、来年も咲かせれば良いかな〜なんてこの頃考えるのですが・・ブログを書くとどうも突っ込んで見たくなっていけませんよね。繋がりとか気になりだしたら大変。名前だけで止めておこうかなと思うのですが、名前を覚える為には、繋がりで調べて覚えた方がスムースにいくような気がするのですが・・
hanahhana1952さんへ
2006/10/05 23:55
なおさん、こんばんは。先日のユウゼンギクのところでノコンギクとしてアップしてましたが、なおさんにコンギクと教えて戴いて、また調べて見ましたら、コンギクと言うのがあったのですね。お世話さまでした。
そして調べて見ると、シオン属、ヨメナ属などがアスター属に書いてあるのもあり、何故かこんがらがってきました。色々書いてあるようでしたが、そんなことはさて置き、ヨメナとノコンギクの区別は少し分ってきましたよ。
なおさんちもナカガワノギクとか、野菊はすごい数でしたよね。今色々咲いているのですか?うちはダルマギクが殖えて、1輪開花です。これから楽しみですね。私は菊なら何でも普通の栽培菊も好きです〜。
なおさんへ
2006/10/06 00:02
一花さん、秋の象徴菊も咲き始めました。コンギクの紫は特に好きな色です。
我が家も白い小菊が蕾を付け始めました。放っているものですから綺麗に咲かないですが、それでも賑わいます。
彦左
2006/10/11 15:09
彦左さん、こんばんは。こちらにもコメント有難うございます。
秋になると野菊のこの薄紫はなんとも言えず郷愁を呼ぶ花ですよね。
ほんと、これが咲けば秋が来たな〜と思いますので、仰るように秋の象徴菊ですね。これはノコンギクとして花屋で売っていたのですが、ノコンギクの中で色が特に濃くて園芸的に選抜されたものをコンギクと言うそうです。お宅では、白い小菊がそろそろ蕾も付いていますか?うちは庭だとヒョロヒョロで花付も良くないです。菊は花が咲くと庭が明るくなって良いですよね。ほったらかしでも良いですので、手間要らずですね。
彦左さんへ
2006/10/11 20:28
コンギク(紺菊) 一花一葉/BIGLOBEウェブリブログ
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