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zoom RSS ホトトギス<キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈時鳥)>

<<   作成日時 : 2006/10/06 19:06   >>

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台風16号は今朝の9時には熱帯低気圧に変わったそうだが、関東地方は朝から横殴りの雨で時々風が強く、背の高い大き目の鉢が倒れたり、紅葉した花水木の葉が早落葉して道端のあちこちに飛び散ってしまっている。
今日は待ちに待った中秋の名月と言うのに、残念ながら今宵も月が望めない「無月」となってしまった。芒など秋の草花を取り揃えて花瓶に活けて飾ろうと思ったが、外出も儘ならず結局内篭りの一日となってしまっている。だが、明日は快晴で満月と言う事で月が望めそうだ。

「ガラス越し雨がとびつく無月かな」(阿波野青畝)

「枝豆を喰へば雨月の情あり」(高浜虚子)


但し天気図では九州の方は晴れマークで、名月が望めそうである。月の出の前、空が仄かに白んでくる状態を「月代(つきしろ)」と言い、またこの十五夜の満月を望月とも呼ぶ。西の入り日とほとんど同じ時刻に東には満月が昇り、東西の月と日が相望むという意味からきている。

「名月や門にさし来る潮がしら」(芭蕉)

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そんな無月を迎えようとしている我が家の雨の秋庭。
去年の今頃はホトトギスの白花が真っ盛りであり、普通のタイワンホトトギスも蕾がほころび始めていた。その後、白花のホトトギスにも花後の種が出来、播いてみたが上手くいかなかった。そして今年春せっかっく出ていた白花ホトトギスの苗は踏まれてしまって消えてしまった。鉢植えしておけば良かったがもう後の祭りである。
タイワンホトトギスは我が家の庭でほこって勢いよく伸び、他の植物の邪魔になっている。其処で小さめに育てようと思い、5月に下葉を残して切り戻したが、それでも去年と変わりなく大きく伸びて蕾が相変わらず沢山付いて開花はまだ先のようだ。

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さて、ホトトギスは日本には10種余りの仲間が自生すると言うが、花びらの地が白、そして地が黄色で上向きに咲くもの、また地が黄花で茎が下垂して下向きに咲くもの、等に分かれるようだ。
我が家でも黄色と下垂タイプのジョウロウホトトギスを地で育てていたが駄目になってしまった。
先日山中湖に出かけた折、また見かけたキイジョウロウホトトギス。小さめの鉢だったが今度は鉢で育ててみようと思い、これも求めてきた。蕾状態であったが、その後すぐ開花したが、地植えのタイワンホトトギスと比べて随分花期が短いようであった。
花は鮮やかな黄色で、普通のタイワンホトトギスに比べて、釣鐘型で下垂して満開の時も半開き状態で、随分と慎ましやかで顔を隠している。失礼と声を掛けて中を覗いたら、他のホトトギス同様随分と派手な斑点がある。やはり外より中を派手目に凝っていて上臈と呼ばれるに相応しい咲き方である。

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このキイジョウロウホトトギスは、黄上臈時鳥と書くのかと思っていたが、「紀伊上臈時鳥」と漢字で書き、かつては紀南地方の山間部に自生していたが、近年の乱獲等により自生地はほとんどなくなり、絶滅危急種に指定されているそうだ。上臈とは宮中に仕える位の高い女官に例えた言葉で、この黄色の花が貴婦人のように見える事から、「山里の貴婦人」とも呼ばれ、山野草好きにはこのキイジョウロウホトトギスは人気である。だが、『すさみ町佐本西野川地区で20数年前に植えた1本の花が、地域の皆さんの努力により今では10.000本まで増え、その黄色い鮮やかな花が見る人を魅了しています』とあり、「すさみ町キイジョウロウホトトギス生産組合(平成12年)」が出来て今ではキイジョウロウもすっかり蘇り、観光の名所ともなっているようだ。
すさみ町キイジョウロウホトトギス

このキイジョウロウホトトギスの自生地は、山間部の岩場で霧が発生し、夏場涼しくて湿度の高い環境を好むので、栽培が夏場熱帯夜になる関東地方ではやはり難しいようだ。これに似てトサジョウロウホトトギス(土佐上臈時鳥)があるが、単にジョウロウホトトギスと言うと四国に産するこのトサジョウロウホトトギスの事を指す。トサジョウロウホトトギスよりこのキイジョウロウホトトギスは葉が細長く、光沢があり縦皺が目立ち、茎を葉が完全に抱き茎が葉を抜いているように見える。トサジョウロウホトトギスは葉が茎を半抱き、葉は楕円形で丸みがある。だが花はどちらも黄色で下向きでそっくりで間違いやすい。
挿し芽で殖やせるようで、求めたものも挿し芽のもののようだ。

どちらも他のホトトギスになく茎が垂れ下がり葉腋に一つずつ花を付け、その花が筒状の鐘形で半開きで垂れ下がって咲き、いかにも上品で慎ましやかな上臈のような山里の貴婦人に相応しい花の様である。
ホトトギス白花2005/10/04
ホトトギス(タイワンホトトギス)2005/10/16
ホトトギス(青龍)2005/10/22

画像<キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈時鳥)>
ユリ科ホトトギス属
学名: Tricyrtis macrantha ssp. macranthopsis
花期:9〜19月
原産地:日本(紀伊半島)
性状 :多年草(耐寒性)茎下垂40〜80cm

※ホトトギスは、古くから茶花、切花として親しまれた花で、「時鳥草」、「油点草」、「杜鵑草」などと様々な漢字で書かれ、身近な花だったことが伺われる。
花に入る斑紋は種類や固体によって異なり、おもしろいことに多くの種類が雄しべやその下の花柱まで、花被片(花弁)と同じ色や形をしている。
名前の由来は花の斑模様が不如帰の胸の羽模様に似ているからで、鉢植えでも庭植えでも容易に栽培できる育てやすい宿根草である。


「天からは無尽の雨の滴りて闇夜の今宵も望めず満月」

「派手やかなる身の裡ひたに隠し咲く紀伊上臈の黄の花垂るる」

「ひと日降る雨音むなしラジオより聞くは今宵の無月のことを」

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コメント(17件)

内 容 ニックネーム/日時
強い風と凄い雨でしたね、最初はあまり気にしていなかったのですが、途中からカッパを着てベランダの植物の保護作業に苦労させられました。
キイジョウロホトトギス可愛いはなです、すさみ町のHPも見させていただきましたが素晴らしい景色で一度行ってみたいと思いました、頑張って育ててください。
OSAMI
2006/10/06 19:37
今日は、失礼!と声を掛けたようですね。その結果の発見が「やはり外より中を派手目に凝っていて上臈と呼ばれるに相応しい咲き方である。」ですね。上臈、山の貴婦人、どちらもこの花の雰囲気を良く表していますね。一度会ってみたいですね。

今夜は当方もお月見は全くダメです。こちらブログのトップに満月が出ていますので、ここでお月見としましょう。もう一度、飲み直ししなければ・・・。チョッと遅すぎたかな?ウサギちゃんは、もう餅つきを終えて眠ったしまったようだ。
デコウォーカ
2006/10/06 21:01
OSAMIさん、こんばんは。コメント有難うございます。
午前中、結構強風が吹いて、背丈のある大きな鉢が倒れてましたよ。そちらも結構風が強かったみたいですね。一日降り続いてましたが、明日は快晴とかですよね。紀伊上臈ホトトギスは普通のホトトギスと違って、結構下垂してますが、うちのものはまだ小さめのもので、そんなに垂れていませんが、花は下向きで黄色で半開き状態で満開です。上臈ホトトギスは四国に多いとかですが、何故紀伊半島だけにあるのかそれが不思議です。四国の黄色の花といえば、キレンゲショウマもそですよね。関連を調べましたら、『九州山地から四国山地、紀伊半島を中心に分布する植物は多数あって、「襲速紀要素(そはやきようそ)」と呼ばれます。ドウダンツツジ、ツクシシャクナゲ、ヒコサンヒメシャラ、シライトソウ、ジョウロホトトギスなどがあげられます。 襲速紀植物は主として中央構造線の南側(地質構造的には外帯と呼ばれます)に分布しています。


OSAMI さんへ
2006/10/06 22:46
これらは、土壌のもとになった地質や、ひいては日本列島が形成された歴史と関係があるのではないかと考えられています。しかし、外帯はおよそ1億年前に、西南部から北東部に横ずれ移動をおこしてユーラシア大陸の外縁にあった内帯(中央構造線の北側)と結合したと考えられています。恐竜の住んでいた時代で、私たちが普通に見ているような、きれいな花をつける植物はまだあらわれていません。 その後1450万年前に日本海ができますが、大陸とは着いたり離れたりして、最終的に大陸と離れたのは1万2千年前のことです。各分野で研究は進んでいますが、それぞれの連携が希薄で、列島形成とキレンゲショウマとの関連の詳細は未だに不明です』とありました。
OSAMI さんへ2
2006/10/06 22:47
デコウォーカさん、こんばんは。コメント有難うございます。はい前回失礼を、失礼しましたので、今回はきちんと失礼述べました。
上臈ホトトギスと呼ばれるように、中が凝って包み隠してお上品な山里の貴婦人であらっしゃいました〜。が、うちの鉢は小さめで、宮廷並みでなく貴婦人も何人かしかいらっしゃいませんヨ。
今日は残念ながら満月が望めず、ブログお月見で、右上のお月様で我慢しております。 もうお食事戴かれて、月見ず一杯されましたでしょうか?
こちらのお月様は今日は、きっと引張りだこで、あちこち御呼ばれして兎の餅つきも草臥れて寝ているようです〜。ああ〜〜この隙に亀さんがせっせと頑張っているようですよ〜〜。そうそう亀さんの花、「スピードリオン」は花も段々草臥れてきています・・
デコウォーカ さんへ
2006/10/06 22:58
 名月も望めませんが、此処は徒然草のように、「花は盛りに月は隈なきをのみ見るものかは」という心積もりでいるのもいいかもしれません。明日は天気も回復するようですし。

 さて、今日は一花さんちは育て主に似て雅びな貴婦人のジョウロウホトトギスですね。これは葉焼けしやいのですが、良く咲いていますよね。半日陰で、湿度があるようなところが好みですよね。うちでも育ててはいるのですが、管理が良くないので、なかなか思うように出来ません。
 那智の滝あたりでも、キイジョウロウホトトギスは生えていそうですよね。
 一花さんちでも、来年また見事に咲くようですと、いいですね。
なおさん
2006/10/06 23:30
おはようございます。ほととぎすの黄色は、初めて見ました。昨日の雨は、すごかったですね。今は、雨音も聞こえず、あがったみたいですが。今夜は、晴れた夜空に月がみたいですね
hanahhana1952
2006/10/07 05:11
普通のホトトギスは、池のまわりに咲いています。
この池は、アユも飼っていましたが・・
昨夜の雲ひとつない満月の中、十五夜行事二ヶ所回ってきました。今年は、ささすがに寒くなって、長袖を着込みました。
薩摩節
2006/10/07 12:35
ホトトギス。ホーホケキョみたいなキリギリスみたいな・・。
またまた初耳のお名前です。結局、ほとんど知らないわたし〜。
あっ、またまたご無沙汰しておりました。雨も今日はあがり散歩してきました。今日は満月撮影でしばらく外にいましたが寒くなってきましたね。
環ちゃん
2006/10/07 21:36
なおさん、こんばんは。夕べ遅くのコメント有難うございます。
この時期、なかなか満月を拝めることが出来ないようで、古より兼好法師もそのように達観しているいるのでしょうか?
今日の十六夜は綺麗に見えておりますよ。上臈ホトトギスと上手く命名されたようで、随分と裡に凝って慎ましやかな花ですね。これは、葉焼けしやすいのでしょうか?半日陰で湿度を好むのでしょうが、他のタイワンホトトギスは丈夫で蔓延ってますが、去年咲いていた白が駄目になり、以前この上臈も駄目にしましたが、今回は鉢で挑戦です。今回駄目なら諦めますが・・。
なおさんへ
2006/10/07 22:12
hanahhana1952さん、こんばんは。早朝よりコメント有難うございます。
黄色いホトトギスは初めてでしたか?山野草としては、これはよく知られており見るものですよ。私は白が好きなんですが、今年駄目にしてしまいました。普通のタイワンは元気で蔓延って困ってます。今日1輪開花でした。
今日は風が強かったですね。大きな鉢が倒れて、菊の上にどかっと落ち、枝が折れていました。今宵十六夜の月が綺麗ですが、肌寒いですね。
hanahhana1952さんへ
2006/10/07 22:17
薩摩節さん、こんばんは。薩摩節さん所でも普通のホトトギスが咲いていますか?夕べは雲ひとつない十五夜で知覧までお出かけでしたか?2箇所回って撮影でお忙しいでしたね。どんな風な十五夜なのでしょうね?>峠を越えて知覧町まで戻り、国指定重要無形民族文化財の「南薩摩の十五夜行事」の『ソラヨイ』を撮りに出かけた。知覧町では現在九箇所で、このソラヨイが行われている。
ブログにアドレス貼って下さってますね。後で見せて戴きますね。こちらは、今日は風が強くすごいでしたよ。そして今宵の月は煌々と照ってますが、肌寒いです〜。こちらも昼間は暑いですが、朝夕は長袖ですよ。
薩摩節さんへ
2006/10/07 22:24
環ちゃん、今晩は。十五夜昨日は残念でしたね。でも今日はお月様煌々と照ってますけど肌寒いですね。そして風が一日強くて、落ち葉掃除をしようとしたら、全部どっか他所のお宅に飛んで飛んでいっちゃった〜〜。あらら〜〜、どうしましょう。でした。ホトトギスって、カッコウ科の鳥なんですって。夏に鳴くけどもう今この時期聞かないですよね。お腹に斑点があって、この花の点々みたいなんですってよ。見たことないよね〜。普通のホトトギスの花知らないの?この黄色は珍しいのだから、しっかり見て帰(還)ってネ。普通のホトトギスはまた後日アップしますね〜^。見においでネ(^_-)-☆
環ちゃんへ
2006/10/07 22:32
今晩は♪黄色いホトトギス良いですネ。キイは紀伊だったんですね。黄色のキイだとばかり思っていました(恥)ウチにあるのは普通のホトトギスです。

※遅くなりましたがフォックスフェースをUPしましたので御覧下さい。
晴耕雨P
2006/10/07 22:59
晴耕雨P さん、こんばんは。黄色いホトトギスを以前育てて地植えしていましたが、その時は「黄じょろ」思ってました〜。恥〜〜〜。去年ブログで紀伊ジョウロと知りました次第です。ジョウロウの「上臈」の意味もやっと今回納得でした。うちも普通のホトトギスだけは沢山元気で殖えて困ってます。
確かナスの花の時から、どんなのか期待してましたが、先ほど拝見してビックリ〜狐さまさま。。ご立派で流石ガーデニングお上手でしたね。
晴耕雨P さんへ
2006/10/07 23:29
一花さん、これは黄色が素晴らしいです。
ホトトギス<キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈時鳥)って初めて知りました。紀伊って付くと和歌山に関係がありそうですね。中秋の15夜こちらでは何とか見えましたので、スライドショーでブログアップしましたが、チャチカメでとったので非常にまずい写真です。
彦左
2006/10/11 15:12
彦左さん、こんばんは。こちらにもコメント有難うございます。黄色いホトトギスはちょっと珍しいですよね。山野草好きな方は求めてらっしゃるようですけど、以前地で育てましたが、うまく行かず、鉢で育ててみようと思ってます。白も地で育ててましたが、今年苗がでたのですが踏まれて枯れてしまいました。普通のものは随分元気で蔓延って困ります。この黄色は最初「黄ジョウロホトトギス」かと思ってましたら、地名の紀伊なんですって。間違う方も多いようです。似た土佐上臈ホトトギスの黄色もあり、地形的に若しかして大昔、四国と紀伊半島がくっ付いていたのかもしれませんよね。これは和歌山の「すさみ町佐本西野川地区」や那智の滝でも見られて人気だそうですよ。(昔は乱獲で絶滅したようですが、復活したそうで、今年のホトトギス祭りは終わったそうですね。)十五夜は見えたのですね。次の日の十六夜の月が今年は満月だったそうで、カメラで撮りましたが暗い中に黄色の丸があるだけで面白くなかったです。カメラが良くないでした。中秋の名月と満月とは必ずしも一致しないそうですね。ブログで初めて知り勉強になりました。
彦左さんへ
2006/10/11 20:21
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