我が家の庭を賑わした花たちも既に盛りを終え、これからの厳しい冬を迎えるに当たって、種が出来て弾けゆくものの、あるものには葉が残り、またあるものには植物全体が枯れて消え逝くものもあり、その姿は様々だ。 花壇の外に出来ていた花後の綿毛だが、写真で撮ってみたら面白い人面のような姿をしていた。これだけでは何の花の綿毛か見当が付かないが、葉を残しているのでシュウメイギク「ダイアナ」の花後だ。去年までは花後には全部茎を切って種を生らせなかったので、この様子が分からなかった。今年は花壇の外にまでたくさん蔓延って、そこを切り忘れてしまった。まだ葉は青々としているが、これは宿根草だ。 シュウメイギクはキク科でなくキンポウゲ科で、学名がAnemone japonicaだ。イギリスではジャパニーズアネモネとして親しまれているそうだが、アネモネ(Anemone)はギリシャ語の「風」の意味があり、風の当たるところに育つと言うことで、やはり風を頼りにして綿毛を運ぶようで、一体何処に飛んでいくのか、そして飛んだ先で子孫を残すのか、種は気儘で自由だ。 シュウメイギク・ダイアナ2006/09/01 <シュウメイギク「ダイアナ」右:2006/8/30撮影> ![]() ![]() 部屋に取り込んだ熱帯花木のツンベルギアに何時も三角錐の形の実の殻が出来る。花は朝顔のような紫色が咲いたが、これは花後の実の殻が意外な形だ。熱帯もので寒さに弱いので早々と2階の部屋に置いてあるが、温度差で葉が落ちてしまっている。室内で何かが大きく弾ける音がたびたびするので、見ているとこの殻が真っ二つに割れて天井や壁や床に当たる音だ。割れた中から硬い小さな石みたいな種が転がっている。枯れたと思っている実の殻も自然に割れて中の種を飛ばす強力な意志持っているようだ。生憎此処が部屋なので子孫の繁栄場所にはならなくて不憫だ。 ツンベルギア・エレクタ2006/06/10 <「ツンベルギア・エレクタ」右:2006/7/3撮影> ![]() ![]() 鉢で育てたセンニチコウだが、その名の通り千日も赤くは咲いてはくれなかった。もう花が半分ドライフラワーのようになってしまっているが、その過程の半分真ん中に色を残している姿も、染めむら模様のようで面白い姿を見せている。そのうち次第に真ん中も色褪せて麦藁色の枯れ色へと総てが進む。 センニチコウ2006/08/27 <「センニチコウ」右:2006/8/28撮影> ![]() ![]() フジはマメ科だが、花後に出来た長い10センチぐらいの豆が未だにパーゴラにぶら下っている。今年は何時になく、たくさんの藤の花が咲いたのに豆は2本ぶら下っているだけだ。灰色のフェルト生地に覆われて温かそうだが、何時弾けるのであろうか?もう枝自体には来年の花芽が出来ているようだ。同じマメ科のエニシダにも花後にたくさんの豆が出来ていたが、既に何処かに消えていた。これもそろそろ弾けて種を飛ばすことだろう。 <「フジ」右:2006/5/1撮影> フジ2006/05/02 ![]() ![]() 「風の吹くたびに綿毛は気儘にも飛びゆき先の恐れを知らず」 「植物のひと世の姿止まらず人の世のごと川の如しも」 「冬枯れの庭に残りし幾本の綿毛茫々風に揺れいる」 「遠目には渋さを見せる種各々ミクロに潜み見る美の極み」 |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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一花さん、「花の色はうつりにけりないたづらに.......」という歌を彷彿とさせるようなそれぞれの画像ですね。今の実の姿と盛りに咲いていたときの姿を対比させて、花どきを懐かしみ、今の実のさまを愛でるというのもなかなか良いものですね。 |
なおさん 2006/12/30 18:58 |
暮れもおしせまり、準備万端のようですね。花の最後をみとるのもまた、花を知るひとつかなと思います。花を咲かせ続けるのに切り戻しをしたり、季節毎にぱっと切り替えると花の終わりは見れませんね。なんとなくこうして花の終わりをみとるのは優しさのひとつかも知れません。「植物のひと世の姿止まらず人の世のごと川の如しも」のように時と姿はいつも変わるものなのでしょう。でも美しく変わりたいなあなんてね・・・ |
hanahhana1952 2006/12/30 19:20 |
四季折々美しい花を詳しい解説付きで見せていただきました。 |
ミニミニ放送局 2006/12/30 20:53 |
花と実を並べて見させて戴き参考になりました、特にツンベルキア・エレクタの実ははじめて見ますが、勢い良く実がはじけるというのは面白いですね。 |
OSAMI 2006/12/30 20:54 |
>面白い人面のような姿 |
環ちゃん 2006/12/30 21:24 |
どの植物も一年サイクルで花を咲かせて実を稔らせて枯れていく。この様子を見るのも面白いと思います。が、なかなか出来ませんね。 |
デコウォーカ 2006/12/30 22:10 |
なおさん、こんばんは。タイトルが「花のいろはうつりにけりな」ですよね〜。なおさんは、何時もブログのタイトルがお上手で詩人さん?みたいで女性って間違われた?こともありましたよね。私の花の色もとうに移ろっていますので、自分のことのようです。植物は人を育てるって言いますが、そうですね。我慢、忍耐、喜び、悲しみなど、自然を見て育てていると教わる事が多いですね。画像のものもそうですが。多年草、1年草と夫々に冬を越してまた新しい萌芽の時を迎える。人間は一世ですが、その次の世代に伝える、残す為に今をどう生きるか大事なことですね。植物の花後を切って種を付けない様にとか、見苦しいので枯れ枝を切ったりしますが、(今日も見苦しいと誰かさんがスッパリきりましたが)、根元の防寒をしているのですよね。 |
なおさんへ 2006/12/30 22:54 |
hanahhana1952さん、こんばんは。コメント有難うございます。 |
hanahhana1952さんへ 2006/12/30 23:05 |
ミニミニ放送局さん、こんばんは。こちらにコメント有難うございます。 |
ミニミニ放送局さんへ 2006/12/30 23:11 |
OSAMIさん、こんばんは。コメント有難うございます。 |
OSAMIさんへ 2006/12/30 23:17 |
環ちゃん、こんばんは。 この頃レポート調に長くなって、読み辛くてすみませんね〜。簡略化をこれから目ざしますね。良い画像があれば言葉は要らないのですが。写真技術がイマイチですので・・。 |
環ちゃん へ 2006/12/30 23:24 |
デコウォーカ さん、こんばんは。コメント有難うございます。 |
デコウォーカ さんへ 2006/12/30 23:30 |
種も綺麗ですよね。次世代への命の |
ゆう 2006/12/31 00:51 |
一花さん、今年最後の日、大晦日になりました。 |
彦左 2006/12/31 12:39 |
今年1年楽しいブログを拝見させていただきありがとうございました。 |
ゆうくらふと 2006/12/31 17:18 |
折角花が咲いても実をつけて子孫を残さないとね。花はサバイバルのためには欠かせませんが、私たちが「きれいだね、美しいね」と言ってるのをきっと何もわかっていないとあざ笑っているかも知れません。宿根であっても最後まで見届けてやれば彼女らも満足でしょう。この一年たくさんの楽しみをいただきまたご指導いただき有難うございました。よい新年をお迎えください。 |
目黒のおじいちゃん 2006/12/31 18:31 |
ゆうさん、こんばんは。夕べ遅くにコメント有難うございました。 |
ゆうさんへ 2006/12/31 22:54 |
彦左さん、こんばんは。コメント有難うございます。今年も色々ご活躍で、ゴルフも立派な成績でよかったですね。 |
彦左さんへ 2006/12/31 23:01 |
今年は、お話が出来て、 |
chiemi 2006/12/31 23:07 |
ゆうくらふとさん、こんばんは。コメント有難うございます。 |
ゆうくらふとさんへ 2006/12/31 23:09 |
目黒のおじいちゃん、こんばんは。コメント有難うございます。 |
目黒のおじいちゃんへ 2006/12/31 23:18 |
chiemiさん、お忙しいのにこちらまでわざわざコメント有難うございます。 |
chiemiさんへ 2006/12/31 23:37 |
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