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zoom RSS ベニコブシ(ヒメシデコブシ・姫四手辛夷)&コブシ

<<   作成日時 : 2007/03/30 20:41   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 16

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       <庭のベニコブシ>

桜が咲く前に、公園の植栽や街路樹として見かける真っ白い花のコブシ(辛夷)。

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小さい頃、田舎では木蓮は良く見かけたが、辛夷の方は見た事が無かった。その後、堀辰雄の随筆『信濃路』の「辛夷の花」の中で知り、また「北国の春」の歌謡曲で歌われていて、真っ白い花を一度見てみたいと思っていた。

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関東地方に住むようになって、出かけた山で青空を背に大樹一面、真っ白い花が枝を埋め尽くす辛夷の花のさまを初めて見て、思わず溜息が出た。

桜も美しいが、厳しい冬を羽毛に包まれた固い蕾の儘で乗り越え、暖かい春を待ちに待って開いた辛夷の花。
純白でしかも柔らかく撓った花びらが匂い立つように華やかで優しくて女性的だった。そのうえ何処か芯があるようで、この美しい花には何故か懐かしさもあり、誰もが惹かれて好きになる花かも知れないと思った。

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秋になって公園を散歩していて、背丈がそんなに高くない木に、エンドウマメか虫の卵みたいな緑のコブコブがたくさん出来ているのを見た。木のラベル名を見たら「コブシ」とあった。

日ごと見ていると、それが次第に割れて、中から赤い実が見え、美しい花のイメージとは似つかない歪な感じになってきた。その時コブシは、身近な公園でも植えられるものと知った。

我が家も是非一本植えたかったが、落葉高木と言われて植えるのを諦め、代わりに落葉低木の「ヒメコブシ」と言う桃色の花が載ったラベルのものを求めて来た。コブシの桃色のような花が咲くかと楽しみだった。
ベニコブシ(ヒメシデコブシ) 2006/03/26

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咲いてきたものは花びらがコブシより細くて桃が強く、花弁が12〜18枚もあり、しかも先が垂れ気味に折れ曲がって咲いていて、シデコブシ(別名ヒメコブシ)と呼ばれる種類の「ベニコブシ(別名ヒメシデコブシ)だった。

シデコブシは漢字では「四手辛夷」と書き、注連縄や玉串に下げる紙と、本種の垂れ気味の花びらから、神道の四手(シデ)に基づくものだそうだ。本によるとシデコブシは白が本来の種で、このピンク種は変種だ。

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植えてもう5年目になるが、年々花付が良く、今年は去年より早めに咲いていた。せっかく蕾から咲いたと喜んで見ていると、翌日蕾がたくさん食べられていて、犯人が分からなかった。

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     <ヒヨドリ被害>

以前椿を食べられた大胆な食べ方からして、姿は見ないがヒヨドリだと確信した。
この頃庭の他のものが食べられないと思ったら、こちらの目新しいご馳走をこっそり食べていたようだ。

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寒くなって、一時期開花も足踏み状態だったが、暖かくなって庭の桜開花と共に一気に開いてきた。だがブログアップが遅れてしまい、昨日の雨で花びらが随分散ってきている。
何故か我が家のベニコブシは秋になっても種子が出来ない。

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     <ベニコブシ:花後の様子>


「神遠くなりしとおもふ夜の辛夷」(山岸治子)

本に依ると、コブシは匂いが良いそうで、樹皮・芽・花は薬用や香辛料ともなるそうだ。このシデコブシも嗅いで見たら甘い芳香があった。
コブシの名前の由来は、筆の穂のような苞の膨らみが赤子の拳を連想させるからだそうだ。ベニコブシは違うが、普通のコブシの学名にはMagnolia kobus(マグノリア・コブシ)としっかりとコブシ名が付いている。

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       <公園のコブシ>


コブシ、シデコブシはモクレン科モクレン属で学名のマグノリア(Magnolia)名でも良く知られているが、この時期、モクレンの白い花も咲いてきていて間違いそうだ。

花期的に見ていると、コブシの方が3月頃から先に咲き、花の形は柔らかくやや横向きや下俯き加減の女性的な花だ。一方、モクレンの花は、咲き始めは上向きの半開きで天を仰ぎ、きりっとした姿で咲いているが、咲き進むと花が垂れてコブシと間違うようだ。

コブシとモクレンの区別として、コブシは花の下に1個の若芽が付くのが特徴とある。
今迄気に留めなかったが、我が家のベニコブシで今年しっかりと画像で撮って見た。

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    <ベニコブシの葉の出る様子>

最初から若葉が蕾の下にあるのではなく、羽毛のような萼が割れて蕾が出てくると、その下の中から小さな細い棒のようなものが見えて、次第にはっきりとした葉の形を成してくる。



また、公園や他の場所のコブシを観察して撮って見ると、花の下に葉のないものと、あるものがあり、そして花びらの真っ白いもの、花びらの基部に桃色の条が入ったものとコブシにも種類があるようだ。匂いを嗅いで見ると、真っ白いものは匂いが薄いようだった。
調べて見ると、花の下に葉がないものは、タムシバ(ニオイコブシ、カムシバ)とある。

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   <↑公園のコブシ1:花びらが真っ白>

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   <↑公園のコブシ2:花びら基部に薄桃の条>


同じモクレン科モクレン属のマグノリアの仲間に、ホオノキ、オオヤマレンゲ、タムシバ、モクレン、ハクモクレン、タイサンボクなどの大木がある。
そしてモクレン科だが属が違う、オガタマノキ、カラタネオガタマ、ユリノキ、シキミ、サネカズラ、マツブサなどが良く知られる。

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   <タムシバか?:花の下に葉が無いようだ>


我が家のこのシデコブシの横に、まだ若木のシモクレン(紫木蓮)があるが、おと年は花が咲いたが去年は咲かず、今年は幸いにも蕾がまた4つ出ている。
今蕾が割れて少し紫の花色が見えて来たが、葉の出来具合はどうか観察してみたいものだ。

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    <庭のシモクレンの蕾2007/3/30撮影>


「北国の春」は歌謡曲として爆発的人気となり、もう今では「日本の歌」になっているが、そのお蔭か「辛夷の花」も誰しもが知り得るようだ。そして公園や街路樹でも植えられ馴染みの花となっている。

「暮るるまでこころ高貴や花辛夷」(藤田湘子)

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       <サクラとコブシ>

関東地方は桜が満開となり、庭の桜も夕べの雨で少し散っていた。今あちこちでうきうきと花見で賑わっている中、もう辛夷には葉がしっかりと出て花も散りつつあり、春の花の命は短く儚い。
夕方買い物に出かけた帰り道では薄暗闇に、うっすらと白く花明かりしていた。

「ふくらめるコブシのつぼみ掌(て)につつむ春の確かな鼓動伝わる」(鳥海昭子)

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<ベニコブシ(紅辛夷)>
・モクレン科モクレン属
学名:Magnolia stellata var. keiskei
Magnolia : モクレン属
別名:ヒメシデコブシ(姫四手辛夷)
開花期: 3/20頃〜 4/15頃。
分布:三重、岐阜、愛知 (岐阜シデコブシ保存会さまより)
シデコブシの変種(白色のものはシデコブシ)
葉に先立って開花

※コブシに似て「タムシバ(ニオイコブシ)」と言うのがあるが、コブシと違って花の下に葉がない。


「花冷えの空は曇りて「春の曲」CD聞けども晴れやまぬ日々」

「夕暮るる街の公園満開の辛夷白々花明かりして」

「花開くたびに桃色四手辛夷ヒヨドリ啄ばみ香り立つ花」

「柔らかき花びら桃色四手辛夷思いのままに各々開く」

「満開の辛夷の花の元に立ち『北国の春』の歌口ずさむ」

「病院の待合室の硝子越し花壇に生き生き雲間草のはな」

「雨上がり桃色花びら散り敷きて紅辛夷の花短き春に」

「公園に桜大樹と辛夷の白樹下を賑わう花見の人等」

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは一花さん。本当お久しぶりって感じです。たった三日と思いながらも。「病院の待合室の硝子越し花壇に生き生き雲間草のはな」ご無理なさらないで下さいね。ながーくお友達になっていただきたい方ですからね。今日は、本当うれしい日です。一花さんともお話できたし、一花さんの唄にも久しぶりに触れることができたし・・・。考えてみたら、毎日こうしてお話しているのは、実は家族以上かなと感じる今日この頃でした。
hanahhana1952
2007/03/30 22:21
少しのごふ沙汰ということになっていましたが、今回は綺麗なベニコブシですね、私の近くにも沢山のコブシの木がありますが、未だ実を見たことが無くてどうも感じが分からないでいます。
コブシの小さな葉の出来具合と葉の無いタムシバのこと勉強させて頂きました。
OSAMI
2007/03/30 22:45
 一花さん、また頑張って沢山の記事をUPされましたね。これだけ作るのはさぞタイヘンかと思います。
 清楚なコブシは、春先の花としていいものですね。地元・川越の駅前のコブシ並木は花があらかた終わり、新芽が出てきました。
 可憐な色あいのヒメシデコブシもいいものですね。花がほころぶと待ってました、とヒヨさんが啄ばみにきますよね。寒さに遭うと花が茶色く焼けてしまいますし。

 山の雑木林で見るコブシは、春が来た喜びを感じさせてくれるうれしい便りですよね。
なおさん
2007/03/30 22:54
 夜更かしひめだかです。よだか、かもしれません。でも慣れっこなんです。ご心配なさらないでください。
 こぶし、面白い実がなりますよね。こぶしの仲間は生きている化石的な原始的なものですが、なんだかあの実を見ると、恐竜などなど連想するのは私だけでしょうか。つぼみも暖かそうなコートを着込んでいて、でも私が育てている理由の一つは『つぼみを味わってみる』ため。食いしん坊の本領発揮です。
 もう少し先の開花になりますが、昔はどの家にもあった、タイサンボクや朴(ほう)の木も良く似ていて、巨大な花が咲きますね。タイサンボクの大きな厚ぼったい葉は、子どものおもちゃには格好の素材でした。
ひめだか
2007/03/31 02:54
hanahhana1952さん、3日開けましたが、こちらにお久しぶりの感じですネ〜。夕べコメント有難うございます。お返事遅くなりました。
早、3月の尽ですが花冷えとなりビックリですね。ちょっと16日から10日間忙しくて疲れて、やっと先日ブログを3日休んで心身とも落ち着いたようです。この時期、季節も荒れますが、毎年身体もおかしくなりますよね。hanahhana1952さんの方こそ、もう大丈夫でしょうか?お互いに身体を労わって過ごしたいものですね。お花を育てていると癒されますよね。hanahhana1952さんの所をお邪魔すると、コメントを書かれる皆さんがお花好きな方々ばかりで、そして他の方への気遣いがあり、やはりそこがhanahhana1952さんのお優しいお人柄かなと感じています。
ホント、毎日がたわいの無い数行のお花の談議ですが、人の心に触れる楽しいひと時ですよね。今宵は春の嵐ですが、明日は穏やかなお花見が出来そうですね。
hanahhana1952さんへ
2007/03/31 21:08
OSAMIさん、こんばんは。こちらにお久しぶりと言う感じですが、夕べコメント戴いて、お返事遅くなりました。
辛夷はアップされて見せて頂きましたね。その時、花の下に葉があるのが辛夷だと教えて下さって、我が家のベニコブシを見ましたら、ちゃんと付いていましたよ。公園のもので何種類か植えてある花を見ると、花色が違うようですし、匂いも夫々で、園芸種でも出回っているのでしょうか?タムシバと言うのもあるって本で知りました。花付が辛夷ほど良くないとかですが、画像のものがどうだかちょっと疑問です。実の様子はリンクしようと思ったのですが、今回時間がなくてすみません〜。
OSAMISさんへ
2007/03/31 21:36
なおさん、こんばんは。夕べ遅くコメント有難うございます。お返事遅くなりました。記事内容が多くてうんざり〜と言う感じで、何時もすみません〜。自分の花知識の為に書いているブログですので、お疲れのところ、読んで下さって何時も恐れいります〜。記事は去年も書いてますので、そんなに大変ではないのですが、やはり何の為のブログかと、歌を詠む為の呼び水でもありますし、自分で育てた花への重い思いがありますので、書き過ぎでしょうか?私の場合は時間だけがありますので私スタイルだと思ってます。読んで下さる方には悪いですよね〜。
辛夷は春の喜びを表わしている花でしょうか?深山含笑と言う落葉しない中国のモクレン科の花もありますよね。これも春を笑っているような咲き方ですね。そちらももう散って、今桜色一色で花見で賑わっていることでしょうね。
なおさんへ
2007/03/31 22:11
またまたコブシの勉強をさせて貰いました。コブシにピンクのベニコブシが有ったんですね。また白色のコブシにもピンクの筋が入らないものも有ったんですね。また、花の下に葉が付かないのはタムシバと言うんですね。しかし、すぐに忘れそうですが・・・。
コブシの花の下に付く葉の出来方が良く解りました。最初から蕾の下に葉が出ているとばかり思っていました。
デコウォーカ
2007/03/31 22:28
ひめだかさん、こんばんは。コメント有難うございます。夕べ遅くと言うか、随分夜更かしひめだかさんですね。夜鷹さんかフクロウさんなんですね?フクロウさんは知恵の神様とか?真夜中が慣れっことかですが、不眠症ではないのですね。昼間は行灯さん??でしょうか?と思ったら、朝の10時とか12時にも記事作成なさってらっしゃるようで、また真夜中作成も多いのですね。身体を壊されませんように〜。
辛夷の実は独特で面白いですよね。恐竜ですか?イメージとしてミニミニワニか怪獣のようですよね。蕾も食べられるのですか?匂いがあり薬用や香辛料ともなるそうですが、まさにヒヨドリさん並なんですね。明日早速私も食いしん坊を発揮して試食してみますね。ホオノキやタイサンボクは随分大きな花で葉も大きく厚ぼったいですが、子供さんのおもちゃに使われたのですね。ホオノキの葉はホオバミソにも使うとかですよね。モクレン科は白くて匂いの良い花が多いですね。
ひめだかさんへ
2007/03/31 23:19
デコウォーカ さん、こんばんは。コメント有難うございます。
私もコブシの花をOSAMISさん宅で見せて戴いて、葉の事を知り、このベニコブシを良く見たら葉の出る様子が観察できました。そして公園でも何種類か植えてあって、つらつら眺めて花夫々に違いがある事が分かりました。花びらは真っ白と言うか、ほんの少し桃色がかっていますが〜。コブシにも種類が色々あり、「絶対」と言う言葉が通用しないのが、植物の世界なんですね〜。
デコウォーカ さんへ
2007/03/31 23:25
おはようございます。
またまたお勉強になりました。
いつも一花さんの花への思いの深さがひしひしと伝わってきます。
私のような浅い知識の者がお邪魔するにはいささか敷居が高いと思っていますが、なんとなく伺ってしまいます。これからも外野として伺わせてください。
未来
2007/04/01 07:02
一花さん、コブシには演歌がありましたね。
白いコブシの謂われ教えて頂いて勉強になりました。コブシもすごく綺麗ですがベニコブシが綺麗ですね。沢山花を付けるのですね。
彦左
2007/04/01 17:24
未来さん、こんばんは。こちらにもコメント有難うございます。
お花が好きで育てていますが、今迄こんなに良く見ていなかっようです。皆さんのブログで教えて戴いて、自分でもまた本で確認して書いているだけです。ブログのお蔭だと思ってますよ。自分だけではこんなに調べないかも知れませんね。今たくさん写真を撮ってらっしゃいますが、これから花の不可思議とかが出てくるかもしれませんので、是非皆さんとご一緒に楽しまれるとよいですよね。浅い知識とか深い知識とかなくて、楽しむことで、段々と自然に覚えるようになるようですよ〜。
未来さんへ
2007/04/01 23:42
彦左さん、こんばんは。こちらにもコメント有難うございます。
「北国の春」と言う演歌で歌われたコブシで、有名ですよね。
謂れは拳だそうですが、モクレンも似ていますが、ちょっと大きな拳ですよね。
ベニコブシは小さな樹形で、この頃庭木にも植えられているのを何軒か見ました。花付が良いですけど、結構花びらが散ってお掃除も大変なんです〜。
彦左さんへ
2007/04/01 23:46
長野県にシデコブシは自生していません。また、兵庫県のシデコブシも自生とは思えません。図鑑からの引用でしたら、出典もとを明らかにし、著者に正しい調査を促すべきだと思います。
岐阜シデコブシ保存会
2007/04/07 23:22
岐阜シデコブシ保存会さん、こんばんば。
>長野県にシデコブシは自生していません。また、兵庫県のシデコブシも自生とは思えません。でしたか。
わざわざこんなブログの為に教えて下さって有難うございます。
「岐阜シデコブシ保存会」と言うのもあるのですか?と言うことは、岐阜にあるのですね〜。これは「山と渓谷社」の本からの引用です。
出典を明らかにですね〜。色々ネット記事引用もありまして、これはただの自分用の日記ブログですので、いい加減な記事ですので、間違いもあることと思います。また気が疲れましたら宜しく〜。リンク貼って戴くと良かったのですが〜〜。
>著者に正しい調査を促すべきだと思います。
其処までする積もりと余裕がありません〜。よろしければそちらでどうぞ、お願いします〜。
岐阜シデコブシ保存会さまへ
2007/04/07 23:48
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