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zoom RSS ヒトリシズカ(一人静)

<<   作成日時 : 2007/04/12 22:00   >>

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我が家の落葉樹の下に植えてあるヒトリシズカ(一人静)。
昔3株植えたものだが、その後増えも減りもせず、毎年落ち葉の中から律儀に出てくる。
ヒトリシズカ 2006/04/06

年々落ち葉が深く積もってきて、芽が出ないかとも見るが、茶褐色の筆様の芽が、今年も3月末にしっかりと出て、その様子をカメラで追って見た。日毎葉が開いて、中から白い花穂のようなものが見え、その後1週間位で葉が全開し、中の花穂が遠目にも白々と見えてくる。

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  <2007/3/27撮影>

花穂を包んでいる4枚の葉は、最初の褐色からすぐ緑色に変わり、葉が開くと随分艶のある葉になっている。だが茎の方は茶褐色の儘だ。

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   <2007/3/31撮影>

この花の名前は、源義経の愛妾として良く知られている白拍子の「静御前」のその舞いの美しい様子に見立てて付けられたそうだが、山野草としても人気だ。

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だが、育てて見ると、随分地味で、花の構造も単純で原始的な花だ。
この花には花弁がなく、花と見える白いものは雄しべで、ズームで見ると雄しべは3本セットになっていて、その根元に黄色い花粉と雌しべが付いている。
この花穂はまるでブラシのようで、古人はこれをマユハケソウ(眉刷草)とも呼んだそうだ。昔からそんな洒落た化粧道具があったとは驚きだ。

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この構造はいたって単純で、フタリシズカ同様センリョウカ科センリョウ属だと本にある。
ブラシ様の花は似てないが、開花後の葉姿が似るのだろうか?
センリョウの花も以前撮って見たが、随分単純な花だった。この花の単純構造が似るのだろうか?
センリョウは実を観賞し、こちらのヒトリシズカは花を観賞するものだが、花穂が出てからもう2週間近いが、そろそろその美しい花穂が散ってきた。
これはセンリョウのように実は出来ないようだ。
センリョウの花2006/07/09

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昔、母から聞いた静御前の歌と物語

「吉野山峰の白雪踏み分けて入りにし人のあとぞ恋しき」

「しずやしずしずのおだまき繰り返しむかしを今になすよしもがな」

その歌と悲しい結末がだぶって、健気で楚々とした山野草として人気なのであろうか?
花の咲き方を見ると、4枚の葉を舞台として一本の花穂が静かにも舞っているようにも見える。
だが、本によると、これは1本だけとして咲かず、群生する画像が載っている。それは静御膳とその義経主従が亡霊になった花として群生しているとも書かれていた。

仲間として、フタリシズカ、キビシズカと言うのもあるが、キビシズカは雄しべが長く草姿も大きく、フタリシズカの花穂の形は丸いそうだ。こちらが若しかしてセンリョウの花に似るのかも知れない。

ヒトリシズカ、フタリシズカは漢名または古名では、ツギネグサ(及己)とも呼ばれ、万葉集・巻十三の3314の「つぎねふ山背道(やましろぢ)を他夫(ひとづま)のうまより行くに己夫(おのづま)し徒歩より行けば見るごとに哭(ね)のみし泣かゆ・・・」とあり、「つぎねふ」は山城にかかる枕詞ともなっている。

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小さい頃からいまだに我が子らはこの静御前の山野草のことも知らず、また語ってあげることもなかったので花への興味をなかなか示さない。
この頃いつも、ひとりパソコンに向っている姿を見るだけだ。

「藪陰にひっそりとしてすがやかに一人静の花咲きました」(鳥海昭子)


<ヒトリシズカ(一人静)>
センリョウ科センリョウ属(チャラン属)
学名:Chloranthus japonicus
別名:マユハキソウ(眉刷草)、ヨシノシズカ(吉野静)
花期:3〜4月
分布:北海道〜九州,朝鮮,中国,ロシア極東に分布
性状:耐寒性多年草
草丈:10〜30p
管理:開花までは日なた,夏は半日陰になる落葉樹の下
乾燥多湿を避ける。


「眉刷けの形をなして白々と一人静の花穂慎まし」

「部屋にひとりパソコン画面に向かう子の背の丸まり時長く過ぐ」

「庭隈の紅葉若葉の萌ゆる頃一人静の花穂立ち見ゆ」

「新年度の歌会に急ぐ道沿いの欅若葉の萌え立ち戦ぐ」

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
ヒトリシズカが綺麗に咲いていますね、ズームアップの画像で初めて面白い構造の事を知りました、奥多摩の山でも時期が逢うとこのヒトリシズカに出会うことが有ります、自然のものは実が付いているのでしょうかね?。
OSAMI
2007/04/12 22:47
「吉野山峰の白雪踏み分けて入りにし人のあとぞ恋しき」お母上から受け継いだDNAは、一花さんへかな。なんとなくすばらしいなあ。「眉刷けの形をなして白々と一人静の花穂慎まし」は、花の形を思いますね。そうそうやっぱり一花さんの観察眼は理系のそれかも
hanahhana1952
2007/04/12 22:51
 一花さんちのヒトリシズカは、育てぬしのように、つつましやかで、清楚に咲いていて、良い雰囲気ですね。静御前になぞらえた、というのもなるほど、と思いますね。
 ツギネグサというのは、勉強不足で知りませんでした。つぎねふというのは、つぎねが生えているところ、ということですよね。

 これだけいろいろ調べるのも、楽しいですがヒマがないと、なかなか出来ないことですよね。さすがです。

 センリョウのような目立つ実はできませんが、緑の実が膨らんで、種子も出来、こぼれ種子でも殖えるものですね。
なおさん
2007/04/12 23:27
OSAMI さん、こんばんは。コメント有難うございます。
普通に見ると、なかなかその花の様子が分からないですが、カメラのお蔭さまで上手く撮れて、花の様子が良く分かりました。
単純のようですが、3本セットの雄しべになっていて、その下に雌しべがあるようです。センリョウ科で実は見た事がないのですが、出来るようですね。しっかり見ていないのか、出来ないのかです。
うちは、ヤブランも出来ていなかったですから〜。
OSAMI さんへ
2007/04/12 23:55
hanahhana1952さん、こんばんは。コメント有難うございます。
昔の人は教養として色々知っていたようで、大田道灌の歌とか、他小さい頃色々話して貰ってましたよ。(今でも自分の興味のある学問は何でも好きな方のようで、随分徹底して顔負けですよ〜。)hanahhana1952さんも、色々植物のことは小さい頃の影響かも知れませんよね。
歌は相変わらずいい加減で、今日は歌会でしたが、勉強不足を感じています。名歌を読んでいかないと駄目ですね。すみませんね〜、下手な歌にお付き合い下さって。。
hanahhana1952さんへ
2007/04/13 00:06
なおさん、こんばんは。この頃お忙しいですね。
なおさんちは、随分元気にたくさん蔓延って、ま〜〜お元気そのものですね。うちは三人だけの白拍子です。でも女三人で、姦しいかもですね。
葉の上に咲いている姿は白拍子の感じですよね。
資料として、植物の積読本がたくさんありますので〜、あれこれ見ながら、またネットでも調べてみますが。ツギネ記事は新潮古典文学アルバムの万葉集からで、俵万智さんのものです。万葉集の本の頭注にも書いてありますね。
枕言葉の意味としては、山城の地を褒める枕詞で、つぎねが生うるの意味で、一人静・二人静・花筏などの説もあり、また、峰を次々と越える意味もあるようです。枕詞としては、なかなか使わないですよね。
広辞苑でも出ていますよ。
なおさん へ
2007/04/13 00:16
ちょっとオーバーかもしれませんが、私はこの花と名前から一人で静かな姿、孤独というのでもなく、すべての生き物が持つ「天上天下唯我独尊」の性質をイメージします。生まれたままの物の持つ無垢な気品を感じます。
かおたい
2007/04/13 00:22
スプリングエフェメラル、ヒトリシズカは好きな野草の一つです。
今年は山でまだ出会っていません。
連続写真のように成長過程をとく記録しています。
ミニミニ
2007/04/13 17:12
アップで見ると、いわゆる普通の「花」の形とはずいぶん違っていますね。とても個性的な花だと思います。
ヒトリシズカという名前がいいですね。
未来
2007/04/13 17:30
一花さん、本当に感心しますね。私らが見たことのない様な変わった花がどんどん出てくるのですね。落葉樹の下うっかり入っていけませんね
私も草刈り係をしていて肝心の花の芽を刈ってしまってよく家内に怒られています。先日も薔薇の木の枝と下草を刈り取っていて、シャクヤクの芽をすべて切ってしまいました。ヒトリシズカ(一人静)さん非常に変わった花びらですね。全く見たことがありませんでした。
彦左
2007/04/13 20:24
ヒトリシズカの名前は聞いた事が有りますが実物は見た事がありません。画像でシッカリと見させて貰いました。実物を見るよりも細部まで見れたと思います。何処かで静御前に会える事を願っておきましょう。
デコウォーカ
2007/04/13 22:15
かおたいさん、こんばんは。夕べ遅くコメント有難うございます。
この「一人静」の花はとてもシンプルで葉に包まれて開いて中にあり、普通の花らしくなくて、真っ白で純粋無垢の感じですね。
静御前の情熱と心の無垢さが現れてるようでもあります。
>「天上天下唯我独尊」の性質をイメージします。生まれたままの物の持つ無垢な気品を感じます。
そうですね。やはりシンプルで気品があり、葉の中にお釈迦様が鎮座して御座す格好にも見えてきますね。人の感情や心持の観賞によって、花姿も見せて現われているようですね。
かおたいさんへ
2007/04/13 22:26
ミニミニ さん、こんばんは。コメント有難うございます。
ヒトリシズカは山野草としても良く知られて、ブログでも取り上げられておりますね。うちにものは、何故か増えないで3本のままです。
山でも見られるのですか?これもスプリング・エフェメラルだそうですね。春にはキンポウゲ科の綺麗な花が多い中、これは地味ですが真っ白でシンプルですね。花期が短いような気がします。
ミニミニ さんへ
2007/04/13 22:30
彦左さん、こんばんは。コメント有難うございます。
春になると、落ち葉の中から色々と山野草が出てきますよね。それで踏まないように、棒とか支柱を折り曲げて保護しています。
これは年々増えるようですが、うちでは3本だけしか咲いていません。写真ズームで見ると花の様子が良く分かると思います、地味でシンプルで、小さい花ですよ。名前が静御前からの謂れがあって、山野草としても人気ですよ。まだご覧になられたことがなかったのですね。
彦左さんへ
2007/04/13 22:34
未来さん、こんばんは。コメント有難うございます。(ごめんなさい〜順番間違えました。)
カメラズームで撮ったら、白い糸みたいな花で、それは花びらでなくてオシベだそうです。単純構造ですよね。センリョウもこんな感じで花びらがないですよ。シンプルですが、楚々とした中に気品もあるようですね。名前の謂れも影響しているのかも知れませんね。
未来さんへ
2007/04/13 22:54
デコウォーカさん、こんばんは。コメント有難うございます。
これは山でも見れるそうですが、実物をご覧になったことがないのですか?それはそれは残念ですね。白拍子のようにはいきませんが、花びらがなくて、オシベが花びらのように見えてます。単純構造で、センリョウも同じように花びらがないですよね。カメラズームで撮れましたので、中の様子が分かってきました。虫眼鏡よりも写りがいいかも知れません。
今度、静かな御膳でなく、静御前さまに出会えたら良いですね〜。午前様になると辺りも静かですよネ??・
デコウォーカさんへ
2007/04/13 23:00
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