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zoom RSS オキナグサ&西洋オキナグサ

<<   作成日時 : 2007/04/26 21:24   >>

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名前からして、ご老人好みの草かと思ってしまう翁草。
花びらの外側は白い産毛のビロード状で覆われており、シックな赤茶色の花が横向きに慎ましく咲く山野草だ。花後の種の髭から、翁の頭を連想するのか、そんな名前になったようだ。

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小さい頃、田舎の野山ではたくさん見かけて猫草と呼んで摘んでいたが、近年絶滅に瀕しているらしく、幻の山野草とも言われているようだ。
だが、実生により株が殖やされて、この頃安価で出回っている。

ガーデニングをするようになって、鉢で求めて地植えしてみるが、なかなか馴染んでくれず、翌年出てくれない。、自然の冷涼な風を好むのか、熱帯夜が多くなってきた我が家では場所的に合わないのかも知れない。
鉢だと若しかしてうまくいくかもと思って試したが、置き場所が悪かったようだ。

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たまたま去年帰省した折、田舎のあるお宅でオキナグサが庭に蔓延っていた。そこで戴いたたくさんの種を去年の秋にあちこちに播いてみたが、種から発芽しなかった。春に咲くので秋播きと思っていたが、調べて見ると、このオキナグサの種は寿命が短いそうで、常温で数ヶ月だそうだ。春に採取したものは秋には死んでしまうので、長く置き過ぎたようだ。冷蔵か冷凍だと長期保存できると言う。

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   <2007/3/26撮影>

これは山野草として好きな花なので、1年草感覚で毎年ポット苗で求めているが、巷でも人気の山野草のようで、春早くから開花株のポット苗が出回っていた。
求めたものは3月下旬から次々と花が咲き、もう見頃は終わってしまったが、ひと月以上経ったのに今また5輪目が咲いてくれている。

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<西洋オキナグサ:ブルサテラ・パテンス:2007/4/9撮影>

花色はこの赤茶色だけ見かけると思っていたら、近年、白、紫、クリーム色を見るようになったが、それは西洋オキナグサだった。
ガーデンセンターで春先に花色の何種か出回っていて、そこで白花ラベルのポット苗を求めて育てていた。

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やっと花芽が出てくれたのが4月に入ってからで、それも白色でなく紫が咲いてきた。
見たらポット苗には2株入っていて、小さいもう1株から出た後の花芽が白だった。
ひとつのポット苗に2色が入っていて得をした気分だった。

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   <西洋オキナグサ:ブルサテラ・ブラテンシス>

西洋オキナグサは日本原産のものと比べて、花が大きく開き方も大胆で蕊も違うようだ。
葉姿は切れ込みがあり同じようだが、花後の草姿が西洋オキナグサの方が大きくなってきた。
これはどちらもキンポウゲ科で花が美しく、花と見えているのは萼だ。求めた三色の花の蕊の色は、画像で見ると、夫々の萼の花色と同じだ。

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このオキナグサは古くから親しまれていたようで古文書にたくさん出てくるとある。
万葉集では、オキナグサかネジバナを「ねつこ草」として東歌に一首だけ詠まれている。

「芝付の御宇良崎なる根都古草逢ひ見ずあらば吾恋ひめやも」(万葉集巻14-3508)

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     <西洋オキナグサ>

そして翁草と言えば、斉藤茂吉が好んだ花として知られ、短歌もたくさん詠っている。
この花は日本だけでなく中国、朝鮮にも自生しており、中国名では「白頭翁」と呼ばれているそうだ。花後の姿を見て感じるものは異国でも同じようで、似たような名前が付いている。

育てているものは残念ながら、まだ全体が翁の頭のようにはなっていないが、同じキンポウゲ科の冬クレマチスの種がそんな翁の頭のようになって、あちこちに飛んで消えていった。


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      <2007/4/13撮影>

「おきなぐさに唇ふれて帰りしがあはれあはれいま思ひ出でつも」(斉藤茂吉)

「おきな草口あかく咲く野の道に光ながれて我ら行きつも」(々)

「われ世をも去らむ頃にし白頭翁いづらの野べに移りにほはむ」(々)

「白頭翁ここにひともとあな哀し蕾ぞ見ゆる山のべにして」(々)

「翁草の花も年久にかく見ればあはれくれなゐの萌えいづるところ」(土屋文明)
 
「翁草咲く丘ありてひとり行く想い告げ得ぬ遠き日ありき」(鳥海昭子)


オキナグサ:2006/03/09

<オキナグサ(翁草)>
キンポウゲ科オキナグサ属
学名:Pulsatilla cernua
英名:Okina-gusa, Nodding anemone。
別名:白頭翁(中国名)、ねっこぐさ、猫草、善界草(ぜがいそう)。
原産地:本州〜九州、中国、朝鮮
生育環境:日当たりの良い原野
花期:4〜5月
高山の草原にはツクモグサ(九十九草)と言う黄色の種がある。

「故郷の野辺にて摘みしは遠き日よ鉢にて愛でいる翁草の花」

「産毛持ち内なる花びら赤黒に染めて俯き咲く翁草」

「目を細め哺乳瓶よりミルク吸う迷い仔猫の居つく我が家に」

「夫々の想いを持ちて詠われし翁草とりどり愛でし春庭」

「何処へと飛び去りゆくか翁草の結べる種よ春風に乗り」

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コメント(14件)

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「おきなぐさに唇ふれて帰りしがあはれあはれいま思ひ出でつも」(斉藤茂吉)あ〜あなんてきれいな情景でしょう!「何処へと飛び去りゆくか翁草の結べる種よ春風に乗り」一花さんの歌もきれいですね。タンポポのような羽がついているのでしょうか・
はなはな
2007/04/26 22:07
はなはなさん、こんばんは。コメント有難うございます。
茂吉はオキナグサが大好きだったみたいです〜。
「おきなぐさに唇ふれて帰りしがあはれあはれいま思ひ出でつも」
情景が良く出ていますよね。「唇ふれて」ときっと擬人化しているのでしょうね。「口赤く咲く」と次の歌に詠ってますので〜。
結句が、「あわれあわれ」と、自分の心情を詠いこんで、しっとり〜とした歌になっていますね。茂吉の風貌からは、こんな歌の想像は出来なかったのですが、そんな時代もあったのですよね。
オキナグサの種はタンポポのように羽根がふわふわ〜と言う感じですよ。何処とも分からないところに、春風に軽く飛んでいくのですよね。根付けば良いのですが〜。根っこ草ですのにね〜。
hanahanaさんへ
2007/04/26 23:58
名前の由来になった実を見てみたいですね。白髪頭ではブログに載せる価値が無いかな?和洋共に綺麗ですね。「花の蕊の色は、画像で見ると、夫々の萼の花色と同じだ。」はこの花の特徴でもあり、チャームポイントなのですかね?この花も名前があまり良くないですね。
デコウォーカ
2007/04/27 00:02
たくさん育てておられるのですね。頭花の一輪だけが咲くオキナグサ。自生でみたことはありませんが駒沢通りの路傍には逃げ出してきて今咲いている花があります。永く茶花として使われてきたようですけど白髪の頭を垂れている姿に自分を見るようで、この花を見る度一寸淋しい思いをしています。万葉集の根都古草は芝との相性からも恋心を返り見する花姿からもネジバナのように思われますが学説はどうなっておりますでしょうか?
目黒のおじいちゃん
2007/04/27 08:15
赤茶色の翁草・・・・素敵です!またもや心奪われました。
このようなシックな色の花、大好きです。

園芸店で、時々見かけはしていましたが、名前から連想するのとは大違いでした。今度見つけたら、じっくりと観察して見ようと思います。

私は、華やかな花ももちろん好きですが、どちらからというと、楚々とした花がすきです。
ネーミングのニリンソウは、4年ほど前、上高地の徳沢園に群生して咲いていたのを見て以来、この花が好きになり、お名前、拝借しております。

にりんそう
2007/04/27 09:59
花の蕊の色と萼の色が同じというのは面白い性質ですね、どなたかのブログで野生のものを見ましたれけれど、これだけ派手な花だと人手にかからないようにするのは難しいようですね、楽しませて戴きました。
OSAMI
2007/04/27 15:59
デコウォーカさん、こんばんは。翁草とちょっと名前が可愛そうな花ですよね。こんなに可憐で綺麗な花ですが、花後から老人をイメージして付けられて。花後そんな髭の感じになる花は多いです。
写真で撮って見ると、結構産毛が見えていますね。
花後の白髪髭の姿は昔の画像がどこかにあったのですが、使えないようです。
またネットで探してリンクしておきますね。
花の蕊が夫々の花色と同じだ〜!!とこの画像をよくよく見たら発見でした。
デコウォーカ さんへ
2007/04/27 18:28
目黒のおじいちゃん、こんばんは。コメント有難うございます。
幻の山野草として絶滅危惧種とかでしたが、駒沢通りの路傍で、逃げ出してきて今咲いている花があるのですか?冷涼な気候を好み栽培が難しいと思っていたのですが、そこで馴染んで増えると良いですね。誰からも盗掘されなければ良いですね。名前がちょっとですが、お花としては綺麗で茶花ともなりますよね。
私が持っている筑摩書院「万葉集」では、頭注に「芝付、御宇良崎は未詳
一説に三浦半島の中の地」とあります。「ねっこぐさ」はオキナグサか?とも
書いてあります。万葉講座でもオキナグサとして説明がありましたよ。
また広辞苑では、「ねっこぐさ」は未詳、一説におきなぐさの古称。とあります。他の万葉関係の本2冊では、「オキナグサ」と断定。また「ネジバナともオキナグサ」とも書いてありました〜。「芝付き」は現代の芝ではないようですけど、昔のことはなかなか分かりませんよね。でも田舎では「猫草」と言われていましたので、「ねっこぐさ」が「ネコクサ」になったのかな?とも思っています。
目黒のおじいちゃんへ
2007/04/27 19:02
にりんそうさん、こんばんは。また訪問して下さって、コメント有難うございます。
これはカメラ画像で撮って見たら、産毛まで写っていて、ちょっと花の柔らかさが出ていました。きっと被写体が良かったのでしょうね。
花を撮る時は何度も撮りますが、お天気具合、角度なども影響して、なかなかうまくいかないのですよ。
幻の山野草とも言われていましたが、近年手軽なお値段でガーデンセンターで出回っていますよね。でももう花期が終わりですので、来年に期待でしょうか?自生地で見たら、また素敵でしょうね?田舎で遠い日に見た強烈な思い出が何時までも残っていますよ。
自然の中ではお花も生き生きですよね。ニリンソウも上高地の徳沢園と言うところでご覧になったのですか?私も今春、ある場所で群生を見て、楚々とした白い花に心奪われました〜。
にりんそうさんへ
2007/04/27 19:10
OSAMIさん、こんばんは。コメント有難うございます。
自生地の野性のものをブログでご覧になったのですか?まだ見られて良かったですね。花を内からの画像で撮ると派手ですが、外側から見ると産毛で覆われて、そんなに派手目ではないようです。西洋オキナグサは目だっていますね。
私も小さい頃の野山で見ましたが、帰省した折、もう近年自生のものがなくなったと話しておられましたよ。
OSAMI さんへ
2007/04/27 19:24
一花さんのお宅にはずいぶん色々な花が育てられているのですね。
オキナグサは山に登ってもなかなか見ることが出来ません。
茅が岳に登り始めて見た時は感激しました。でもこれも盗掘されてしまうのかと思うと分からない場所に移してやりたいような、そんな想いで見てきました。
ミニミニ放送局
2007/04/30 10:30
ミニミニ放送局 さん、こんばんは。コメント有難うございます。
お花が好きで、なんでも見ると欲しくなって育てています〜。
山野草を地に下ろすと、なかなか翌年咲いてくれないのですよ。
このオキナグサはポット苗で出回っていて、昔と比べて随分安くてお手頃なお値段でした。これは高い山でも見かけられたのですか?感激でした?
私は昔昔子供の頃、ワラビ取りに普通のちょっとした山に行く平地の野原で見かけて摘んでいましたよ。
今では田舎でも見かけないようですね。とても可愛い花ですよね。お花を摘んだり盗掘しても、根付かないですのにね〜。
ミニミニ放送局 さんへ
2007/05/01 00:27
一花さん、オキナグサ老人が好きな花ですか?。私は紫が好きですからオキナグサも好きです。白いのもあるようですが、やはり紫がいいですね。毎年買われてるのですか?私ところは花苗は殆ど買いません(^o^)一花さんはいろんな花を育てれて土代、肥料代、苗代と考えるとすごいですね。
彦左
2007/05/01 19:54
彦左さん、こんばんは。こちらもコメント有難うございます。
オキナグサはご老人が好きな花ではないのですが、翁のような感じに花後の髭は見られています。
紫は良いですが、これはセイヨウオキナグサです。毎年好きで買っていますが〜。花好きで、何でも見ると手元で育てて見たくなります。
若しかして、ゴルフ趣味や貴金属趣味よりも安く上がるかも知れませんよ〜。この頃洋服を買わなくなりました。
彦左さんへ
2007/05/02 00:08
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