一花一葉

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zoom RSS 神代植物園(ハス・スイレン)

<<   作成日時 : 2007/07/13 18:03   >>

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「白蓮のあまたは咲けど静かなる」(水原秋桜子)

先日、7月8日に出かけた神代植物公園。
芝生広場にハス(蓮)が観賞用として大型コンテナに水を張って植えられたものが置いてあった。

昔、上野公園の不忍池で開花をちらりと見た事があったが、じゅっくり花として見た事がなかった。

早朝に開花してすぐ萎むと思っていたが、この日は午後4時前でも開花していてラッキーだった。
本では開花後数時間で閉じるパターンを3日間繰り返し4日目に散るとあったが・・。

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ハス(蓮)はスイレン(睡蓮)の花に似ていて、古代エジプトではスイレンと混同されていたそうで、小さい頃私も混同していて誰でも同じと分かり安心した。
ハスの根は蓮根として食材でも馴染みだが、蓮田と言う名前で埼玉県の市もある。
スイレンはスイレン科スイレン属で、ハスはスイレン科だがハス属だ。(現在ではスイレン科でなくハス科との記載もある)

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これはインド原産で中国から先史時代に渡来して、古事記、日本書紀では「ハチス」と呼ばれていたとあり、万葉でも詠まれている。

「勝間田の池は我知る蓮(はちす)なし然(しか)言ふ君が髭なきごとし」(万葉・巻16
-3835)

「ひさかたの雨も降らぬか蓮葉(はちすば)に溜まれる水の玉に似たる見む」(万葉・巻16-3837)

「蓮葉(はちすば)はかくこそあるもの意吉麻呂(おきまろ)が家なるものはうもの葉にあらし」(万葉・巻16-3826)


花後に花弁を支える台の花托が大きくなると蜂の巣に似るので「ハチス(蜂巣)」となったそうで、平安頃からハスになったようだ。

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仏教寺院の飾りにこのハスの花が使われていて、どうもあの世の浄土界と抹香臭い感じからしみじみと見た事がなかった。ハスは泥田に咲きながら汚泥に染まらずに清らかな香気を放つので、この世の汚れを祓い、浄土界を表わす花だとされたのだろうか。

また蓮の葉は「荷葉(かよう)」とも呼ばれていて、ハスの葉を盃に見立ててお酒を味わう「荷葉杯(かようはい)」や、ハスの葉から茎を通してお酒を味わう「像鼻杯(ぞうびはい)」と言う風雅な遊びもある。

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今から2000年前の古代のハスの実を発芽させ開花させた大賀ハスも有名だが、そのふっくらとして可憐な紅色の花は、ロマンの色を見せている。

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此処に写したものはそれぞれに銘があったが、書き留めなかった。
スイレンの葉は切れ込みがあって水面に浮いているが、ハスの葉を見ると茎が立ち上がった葉と水中に浮く葉があり、花は水面高く咲いている。葉の形も切れ込みがなく、サトイモの葉のように丸みを帯び、水を弾いて水玉を作る。

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「蓮咲いて一羽一羽のごと白し」(中川美亀)

「くれなゐの八重てり匂う玉はすの花びら動き風わたるかも」(伊藤左千夫)

「ハスの葉を帽子がわりに被せられ父の生家を母と訪ねき」(鳥海昭子)

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同じ神代植物園の温室前にあったスイレン(睡蓮)。
此処のスイレンは4月3日に出かけた春に、温室内の池で開花しているのを見かけたが、温度さえあれば開花するようだ。

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    <2007/4/3温室内にて撮影>
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鉢植え管理の温室内の熱帯スイレンは暖かくなって外に出してあるようで、この日も何人かカメラ撮影に余念がなかった。

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   <熱帯スイレン2007/7/8撮影>

スイレンはアフリカなど熱帯地方原産の「熱帯スイレン」と、ヨーロッパなど温帯地域を原産とする「耐寒(温帯)スイレン」の2つのグループがあるそうだ。
画家で園芸家だったモネが愛したスイレンは耐寒スイレンで、フランスのジベルニーの「モネの池」は有名で、その絵もよく知られてファンも多い。

この日は、温室前の熱帯スイレンと外のツツジ園の中池で耐寒スイレンの小さな花を見た。

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温室前の熱帯スイレンは花茎が水面より立ち上がって咲いていた。
熱帯ものは丈夫で花数も多く、花期も6月から秋遅くまで咲き、香があるようで、「香りスイレン」としても出回っているそうだ。
モネが憧れたブルーの品種は熱帯スイレンしかないそうだ。
夏の暑さも40℃までは耐えられるそうだが、12月には成長が止まって戸外越冬できず、室内管理で難しいようだ。この熱帯スイレンは近年出回ってきたようだが、昔から池などで育てられているのは耐寒性スイレンだ。

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   <熱帯スイレン>

外のツツジ園の中池では耐寒スイレンが見られたが、これは年間日当たりで管理し、多肥栽培しなくてはいけないようだ。

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     <耐寒(温帯)スイレン>
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家庭用に出回っているのが、ヒメスイレンで、水鉢でも育てられるとある。
夫の田舎の池でもスイレンがあって咲いていたそうだが、その花を懐かしみヒメスイレンを求めて大きな硝子のボールに入れてあるが、残念ながら花芽が腐れてしまった。
10匹いたメダカは今1匹だけになって、これだけが不思議と元気に泳いでいる。
今後の花芽は期待できるだろうか?

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    <自宅のヒメスイレン>

神代植物公園の外の池で見た耐寒性スイレンはあまり大きくなくて、ヒメスイレンだったろうか?
花茎が立ち上がらず午後4時前には半閉じしていた。

「屋根の影のびて来たれば閉じはじむ睡蓮の池おそろしかりき」(鳥海昭子)

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    <耐寒(温帯)スイレン>

「高々と花茎立ちて古代蓮まろぶ花びら膨らみ開く」

「池の面に浮かぶ葉の中睡蓮の尖る花びらいま閉じんとす」

「懺悔する如くに蓮の白々と高く開きて花の静もる」

「数多咲く睡蓮の花色いろにモネの憧れ紫色あり」

「育てたる硝子の鉢中姫睡蓮花の咲かずにめだかの泳ぐ」

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
一花さんへ
こんばんわ、いつも気にかけていてくれてありがとう。
久しぶりに除かせていただきました。
蓮の花、きれいですね。早朝花開き、お昼には閉じてしまい、
3回繰り返して4回目は散るそうです。
盛んに花開くと花火のように、ポンポン音がするのでしょうか。?
短歌は関連しませんが。!
ほおずき
■したしみぬすずみびらきの川花火酸漿市のほおづきの色 晶子
おしろい
■花ひらきあるいは閉じていたるところおしろいの咲く蛇崩の道 佐太郎

ヤス
2007/07/13 20:15
一花さん、有名な植物園だけにいろんな花が有るのですね。
和歌山でも緑化センター(公営)があって蓮を沢山咲かせて居ますがとうとう今年は行けませんでした。昨年は早朝5時起きでいきました。
蓮の花は花の女王のようですね。
彦左
2007/07/13 21:47
ハスが綺麗ですね、蓮池などのものはなかなか接近できない場合もありますが、ここのようにコンテナだとその点観賞する環境は最高で良いと思います。
ところで日本書紀のハチスのことですが、以前福生の方で仕事をしていたときに、八王子に古くから在住の年配の人から、ムクゲの事を地元ではハチスと呼んでいると聞いたことがあり、懐かしくその当時の事を思い出しました。
ブルーのスイレンはやはり良いですね、写真に撮ると温室ですから天井の構造が邪魔ですね、水面に映らなくする方法は無いものですかね?。
OSAMI
2007/07/13 22:02
「ハスの葉を帽子がわりに被せられ父の生家を母と訪ねき」(鳥海昭子)「池の面に浮かぶ葉の中睡蓮の尖る花びらいま閉じんとす」ずっと眺めていました。やっぱり鳥海さんの歌で目が留まります。一花さんの忠実な描写と対照的に人がいつも介在しているから好きなのかもしれないなとふと思いました
はなはな
2007/07/13 22:19
 一花さん、やはり夏の東京のお盆の頃は蓮華の花でしょうか。神代の芝生広場のとなりで、水鉢に植えられて、幾つか並べられていますね。蓮の花もいろいろ園芸種があるようで、それぞれにいいですね。
 昔は芙蓉というと蓮の花だったようで、富士山別名でもありますね。

 スイレンも熱帯性、温帯性とあり、どちらも良いですが、華やかで色あいがあざやかなのは、熱帯のものですね。昼咲き、夜咲きが熱帯のものにはありますが、温帯のは昼咲きのみと聞きました。
 尾瀬の未草(ヒツジグサ)も可憐な花ですよね。秋の水草紅葉も素晴らしいですね。
なおさん
2007/07/13 22:22
アチコチの寺院で鉢で育てているハスが大輪を咲かせていると、新聞等ニュースに出てきます。一度、見に行こうと思っているのですがまだ、実行されていません。OSAMIさんも仰っている様に大きな池では写真を近くで撮れないので鉢植えが良いと思っています。池に浮かんだ睡蓮も良いですね。こちらは葉と花を遠くから見た方が良いと思っています。
デコウォーカ
2007/07/13 22:28
ヤスさん、こんばんは。お久しぶりです〜。あちらも無理なく続けられてらっしゃって良かったです。こちらこそお世話になってます〜。
ハスの花って、極楽浄土の花として見ていたので余り興味がなかったのです。こうしてお花として見ると大きな花でダイナミックですよね。開花の時に音を立てることはなさそうですね。
歌、有難うございます。
■したしみぬすずみびらきの川花火酸漿市のほおづきの色 晶子
夏の風物詩の花火とほおずき。まるで風鈴の音も聞こえるようで、クーラーのない時代、涼を呼ぶための日本人の知恵だったのでしょうね。団扇に浴衣姿の華やぐ晶子が目に浮かびますね。

>花ひらきあるいは閉じていたるところおしろいの咲く蛇崩の道 佐太郎
「蛇崩の道」は何度も出てきますね。おしろい花の閉じたり開いたり。その花がいたるところに咲いているのでしょうね。時間で開いたり閉じたりしますね。
ヤスさんへ
2007/07/13 23:47
彦左さん、こんばんは。コメント有難うございます。
此処はずっと昔と違って手入れされ、色々な植物が植えてありましすよ。
入場者も多いのでしょうね。バラが7月一杯見れるそうで、まだ満開でしたし、温室も充実していますよ。
そういえば、去年、蓮田に早朝から出かけられて、動画で見せて下さって感動しましたよ。随分たくさん咲いていましたね。ここは、少しコンテナに入れて置いてあるだけでしたヨ。
ハスの花ってダイナミックで汚れがないようで、極楽浄土に相応しい花ですから、見方によっては女王さまかも知れませんよね。
彦左さんへ
2007/07/13 23:55
OSAMIさん、こんばんは。コメント有難うございます。
偶然ふら〜と出かけたのですが、まさか此処でハスが見れるとは思っていなかったのですよ。神代では他に水生植物園が深大寺門を出たところにあって、そこでも植えてあるようですが、でも数的にどうでしょうね。場所がちょっと?不便で入場に・・ですよね。
ムクゲですが、韓国の花で、ムグファンとかでしたよ。はちす、きはちす、ゆうかげぐさ、もくげなど別名がありますよ。なぜムクゲがハチスなんでしょうね。
熱帯スイレンは花色が多彩ですよね。温室の屋根が写って汚いですよね。4月でも温度さえあれば温室内で開花していましたよ。こちらは花期が長いですね〜。熱帯スイレンは日照はあまり関係ないってことですよね。
OSAMIさんへ
2007/07/14 00:05
はなはなさん、こんばんは。コメント有難うございます。
「ハスの葉を帽子がわりに被せられ父の生家を母と訪ねき」と鳥海さんは、昔の思い出を詠ってらっしゃるのですね。大きなハスの葉を被ってと、日避け帽子代わりってことでしょうね。物資が不足で何もなくて貧しかった戦後だったのでしょうかね?お母さんも、お父さんの生家に一人ではなく、子供だった鳥海さんと何か御用で出かけられてのでしょうね。自分の生家でなくて、ちょっと緊張しているお母さんでしょうか。
私の歌、説明的ですみません〜。この頃掘り下げがなく、これを言いたいというのが見えてないです〜。
はなはなさんへ
2007/07/14 00:16
なおさん、こんばんは。コメント有難うございます。
ハスは去年、なおさんちで見せて戴きましたよね。
田舎では8月ですが、東京では7月にお盆なんですね。
「芙蓉の顔」と美人のたとえを言いますが、ハスの花の別称なんですね。
芙蓉も別名がモクフヨウ、キハチスと言うのですね。それでムクゲもハチスと呼ばれたのでしょうか?
富士山は芙蓉峰とも呼ばれていて、美しい山って意味ですよね。
スイレンも神代温室ではこの時期、外に出してあるのですね。温度さえあれば4月でも温室内で開花するのですね。夜、昼咲くものあるようですよ。香もあるそうですが、どんな香でしょうね。
ちょっと出かけたのですが、偶然見れてラッキーでした。
なおさんへ
2007/07/14 00:29
デコウォーカさん、こんばんは。コメント有難うございます。
あちこちで今ハスが咲いているようですね。不忍池では遠くに見た覚えがありますが、ここは傍でしっかり初めて見れたのですよ。
蜂巣の様子も撮れてよかったです。
スイレンは、池の方で咲いているものの感じが、自然で雰囲気的によかったですよ。
花として熱帯のものより小さい感じでしたが、日照がなくなると閉じるようです。
一方熱帯のものは花色が多彩で、シャープな感じですね。そして花茎が水面にちょっと立ち上がって咲き、賑やかでした。こちらの画像はよくなかったです〜。
デコウォーカ さんへ
2007/07/14 00:36
睡蓮の写真綺麗に撮れていますね。素晴らしい!です。
この写真を拝見しているとなぜか、心が穏やかになる気がします。
温室内の紫色もきれいですね。
ご自宅のヒメスイレン花芽を付けるといいですね。(^_-)-☆
私も週末から撮影会に行く予定だったのですがこの雨では…
でも、いつか一花さんのような写真を撮りたいと思っています。
やまびこ
2007/07/14 16:09
やまびこさん、こんばんは。コメント有難うございます。ふらっと出かけた神代植物公園で、たまたま蓮の水鉢が幾つか展示してあり、午後でしたがまだ咲いていてラッキーでした。普通、蓮池や蓮田で見ますが、此処は芝生広場の目の前でばっちり見れて上手く撮影できました。これは被写体が良かったので綺麗に仕上がり、見てびっくり〜でした。 熱帯睡蓮も4月は温室で見たのですが、暖かくなって外で見れました。週末から撮影会の予定、残念ですね〜。せっかくの3連休でしたが、何も台風被害がなければ良いですね。私は町内の用事で今日夕方から22時まで出て、また明日も雨の中の公用です〜。何時もやまびこさんのフォットも素晴らしいですよ〜。あの「押し花絵」とか、他色々何時もうっとり〜してます。また台風が去ったら、睡蓮撮影会へお出かけされて素敵な画像撮って下さい〜。
(ごめんなさい〜。夕べ帰宅後慌てていて、記載ミスしたと気付き、再度書き直ししました。)
やまびこさんへ
2007/07/15 08:29
睡蓮の花って水中で蕾の時に一旦、水面までの高さ?深さを調べるんだそうです。そしてちゃんと水上で花が咲くように自分で長さを調整しているそうです。凄い事ですね。 
mint
2007/07/15 11:19
mintさん、こんばんは。コメント有難うございます。
> 睡蓮の花って水中で蕾の時に一旦、水面までの高さ?深さを調べるんだそうです。
そんなんですか?凄い植物の知恵ですね〜。熱帯睡蓮は花茎が外に出ているので短いと困りますよね。これも同じように水深を測るのでしょうね。温帯睡蓮は丁度水面に咲いていますので、きちんと水深調整するのでしょうね。うちで求めたヒメ睡蓮には最初から蕾がついていましたが、硝子鉢(パンチボール)の深さが短いようで、せっかくの蕾が枯れてしまいました。花茎が長く外に出すぎたようです。
mint さんへ
2007/07/15 19:02
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