ヒメヒオギズイセン(姫檜扇水仙:モントブレチア)

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この時期、菖蒲かアヤメのような葉に鮮やかなオレンジの小さな花をたくさんつけている植物を道端などで見かける。
小さい頃田舎の野原やあちこちの庭でよく見かけていた馴染みの花で、正式名は良く知らなかった。赤い金魚の色をした花なので、子供の間では金魚ぐさとか呼んでいたようだ。(金魚草と言う花は別にあったが・・。)

夫が懐かしがって、花壇に植えた1株に花が咲いてくれた時は随分嬉しかった。
だがその後、毎年あっという間に蔓延って、側に植えていたストケシアやアガパンサス、ダルマギクなどの株の間にも侵入してブッシュ状態になり、仕方なく抜いて捨てた。
ヒメヒオウギスイセン(モントブレチア) 2006/07/06

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その後、これはヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)と呼ばれると知って、和名から日本古来の花だろうとずっと思っていた。
去年ブログ記事を書く時に知ったのだが、南アフリカ原産のもので、フランスで交配された園芸種だそうだ。明治期に渡来してその後野生化し、全国的な帰化植物となっているようだ。
別名がモントブレチアまたはクロコスミアとあった。

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葉の姿がアヤメに似てアヤメ科だが、何故か水仙の名前を持つ。この名前に似たようなアヤメ科のもので、ヒオウギやヒメヒオウギ、ヒオウギズイセンなどとも間違い易い。

この交配親はヒオウギズイセン(檜扇水仙)とヒメトウショウブ(姫唐菖蒲)とあるが、ヒオウギズイセンをネット検索すると、このヒメヒオウギズイセンと混同してあるものがあった。
また広辞苑で調べても、「ヒオウギズイセン」の説明内容が、このヒメヒオウギズイセンに似ているようで同一視しているようでもあり、「ヒメヒオウギズイセン」と言う言葉の内容記事がない。

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アヤメ科でワトソニアと呼ばれる球根植物があるが、それの別名がヒオウギズイセンと呼ばれて、このヒメヒオウギスイセンに似るが、これが交配の片親であろうか?
ワトソニア(別名ヒオウギズイセン)365花撰さまHPより

もう片親のヒメトウショウブ(姫唐菖蒲)を検索するが画像がないようで、広辞苑でも出ていない。
トウショウブ(唐菖蒲)とは、アヤメ科グラジオラス属のグラジオラスの別名をトウショウブ(唐菖蒲)と呼んでいて広辞苑でも出ている。

何せ似たような和名が同じように付いていて混同してしまう。
「モントブレチア」か学名の「クロコスミア」で呼ぶ方が間違いがないようだ。

これはアヤメ科ヒメトウショウブ属で学名がTritonia crocosmaeflora だが、crocusは球根植物のクロッカス、またはアヤメ科サフラン属の学名を指すが、英語ではオレンジがかった黄色の意味がある。
落ちた花にお湯をかけてみたら、サフランのような黄色い色が出た。若しかしてサフランの代用としても異国では使われたのであろうか?
ヒメヒオウギズイセンの名前の由来は、ヒメヒオウギの葉姿に似て根に水仙のような小さな球根(球茎)があるので水仙と付き1属1種だそうだ。
ヒメヒオウギ&シシリンチウム 2007/05/16
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<ヒメヒオウギ:2007/5/15撮影>


葉姿は、ヒメヒオウギよりトウショウブと呼ばれるグラジオラスを小さくしたような感じに似ているようだ。花はこの時期、夏のぎらぎらした太陽を跳ね返すような眩しいオレンジ色を次々と咲かせるが、結構この花期は短いのだろうか?

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先日植物園に出かけた折、山野草広場の入り口でこれが随分蔓延っているのを見かけた。
そこでは他の山野草を凌いで蔓延っていたが、このままではどんどんこれに占領されるかも知ない。

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     <神代植物園にて:2007/7/8撮影>
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また他の場所では囲って植えてあったが、一面群生していた。これは日当たりを好むようで、我が家の半日陰の場所はあまり花付は良くないようだ。

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<神代植物園にて:2007/7/8撮影>

「朝光の差し入る部屋にあらはるるるみな光より遅れてあるもの」(香川ヒサ)

「中庭に薔薇を育てて来し光ゆるやかに薔薇の枝を曲げたり」(々)



<ヒメヒオウギスイセン(姫檜扇水仙)・モントブレチア>  
アヤメ科 ヒメトウショウブ属(モントブレチア属)
原産地:南アフリカ
別名:モントブレチア、クロコスミア
花期:6~8月
花色:朱赤色
殖え方:地下茎を横に伸ばし、その先に球茎を作る。
ヨーロッパでヒオウギズイセンとヒメトウショウブとの交配によって作られた園芸種。明治中期渡来。全国的に野生化。


「数年前植えし一株モントブレチア細き緑葉勢いを増す」

「太陽を反すかのごとく朱に照りて花壇に蔓延るモントブレチア」

「遠き日の幼き思い出見る如く朱の花モントブレチアの咲く」

「覗きたる双眼鏡より巣の中の小さき嘴見ゆ親鳥らしも」